第36回
「千枝って呼んでいいかな?」
黒河は続ける。
「ボクはね、千枝を一目見たときから好きになってしまったんだ」
たんたんと話しつづける。
千枝は下を向いたまま聞いていた。
「そして、千枝の恥ずかしい姿がみたくなって、あいつらに頼んだんだ」
ポッと頬を赤らめ、千枝がハッとする。
あのとき凌辱された感触が脳裏に蘇る。
「そう、あの部屋の奥にいたのはボクさ。あの日のビデオは宝物さ。新見に
横取りされたのが悔しくてね。今日からは、ボクだけのものだ。いいね」
「お願いです。そのビデオを私に返してください」
千枝は黒河に頭を下げた。
「だめだよ、それは。ボクは毎晩、見ている大切なビデオなんだから」
黒河がソファから立ち上がり、ゆっくりと歩きだした。
冷蔵庫から缶ビールを取出し一口グイッと飲んだ。
「ボクは昔から、好きになる人を虐めるのが好きなんだ」
千枝はこれから起ころうとすることに身をすくめていた。
「今日は、ボクが虐めてあげるからね……」
目を大きく見開いて、千枝の背後からうなじあたりを凝視す
る。
「かえしてください。お願いです。私は……」
何かを言おうとして、口をつぐんでしまった。
黒河が千枝の肩に手をかけた。
「夜は長いんだ。もうすぐルームサービスが来るから、食事をしよう」
黒河がブラウスの上から千枝の乳房に手をはわした。
「千枝のオッパイだね……」
黒河は千枝に裸になるように命じた。
「こ、ここで……ですか」
「そうだよ。色っぽく脱いでほしいな」
ソファに座り直し、ゴクリとビールを飲み、千枝の身体を舐めるように見る。
「さぁ、早く脱ぐんだ。ボクを怒らせないほうが利口というものだよ」
「恥ずかしい……」
「今更、恥ずかしがるのはおかしいよ。ボクは全てをしっているんだから」
「…………」
千枝は言葉を失った。
ソファから立ち上がり、命じられた通り、ボタンを外していった。
手を後ろにまわし、ブラジャーのホックも外す。
乳房がこぼれでる。小さな乳首がとがりを見せていた。
「おぉ、乳首が立っているんだね。やっぱり露出狂の気があるのかな……」
「うンっ……ちがいます……」
「新見にしたように、ボクにもセクシーに見せておくれ」
「どうして、知っているの?」
「ボクは千枝のことはなんでも知っているよ。さぁ、続けて」
千枝は腕で両の乳房を隠した。
黒河に背中を向け、ヒップを突き出すようにしてスカートをさげていく。
むっちりした尻肉がくなくなと動き悩ましい。
「全部、脱ぐんだよ」
パンティストッキングを片足ずつ脱ぎ、パンティに手をかける。
またも、千枝は自分に酔ってきていた。
もっと見てほしい。そんな気持ちになっていた。
(本当に、私って露出狂の気があるのかしら……)
パンティを脱ぎ去り、全裸になった。
「綺麗だよ。とっても」
そのとき、ドアがノックされた。
-つづく-
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